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ミラクル/ミラクル 1980の奇跡のYYamadaのレビュー・感想・評価

4.0
【スポーツ映画のススメ】
ミラクル (2004)
◆競技名:
🏒アイスホッケー
◆競技の舞台:
 レークプラシッド冬季オリンピック
 (1980)
 
〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・本作の舞台は冷戦最中の1980年、アメリカ。自国開催となるレークプラシッド冬季オリンピックに向け、ミネソタ大学のハーブ・ブルックス(カート・ラッセル)は、米国アイスホッケー代表ヘッドコーチに起用される。
・わずか7ヶ月の準備期間にてブルックスは、五輪4連覇中、プロのNHLオールスターすら一蹴する世界最強チーム、ソ連代表を相手に、勝つ事などありえない学生中心のアマチュアの寄せ集めチームにて挑む。
・実況中継を担当していたアナウンサーのアル・マイケルは、何百万人もの視聴者に問いかけをする…。あなたは奇跡を信じますか?信じますとも!

〈見処〉
①スポーツ映画の全てが凝縮。
 ディズニーが描く熾烈な米ソ対決
・『ミラクル』 (Miracle) は、2004年に
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが製作したスポーツ映画。監督はのちに『ウォーリアー』を手掛けるギャヴィン・オコナー。
・本作は、史実から24年経過した2004年に、当時の時代背景やファッションを忠実に描き、冷戦下で「アメリカ建国史上、最も活力のない時代」に断固たる意思を持ったアイスホッケーチームのコーチ、ハーブ・ブルックスによる歴史的な勝利をおさめたアメリカ代表の奇跡の物語を描いている。
なお、ブルックスは映画完成直後に、本作品を未鑑賞のまま交通事故で他界している。

②時代背景
本作のオープニングでは、ベトナム戦争で病んだアメリカの内外環境が描かれ、ソ連の後塵を拝している当時の環境を表している。
・アメリカのカンボジア侵攻
・ミュンヘン五輪によるバスケ米国代表のソ連戦敗退
・最後の月観測となるアポロ17号
・ウォーターゲート事件によるニクソンの辞任
・ベトナム戦争のサイゴン陥落
・ディスコフィーバー
・アメリカ合衆国建国200周年
・イランの石油禁輸によるガソリン不足
・エルビス・プレスリーの死去
・イランアメリカ大使館人質事件
・スリーマイル島原子力発電所事故
・カーター大統領による演説…「最大の危機は自信の喪失である」

そして、作中で描かれるとおり、ソ連のアフガニスタン進行に起因してアメリカ・日本など西側陣営による、モスクワ五輪ボイコットにつながる。

③結び…本作の見処は?
スポーツ場面もスゴいが、これは政治映画!未鑑賞の方にオススメしたい「掘り出し物の佳作」です。
◎: 冷戦下の当時のオリンピックは、まさにスポーツの場を借りた戦争。『ロッキーⅣ』よりも熾烈な米ソ対決が垣間見れる作品で、政治映画並みの緊張感が半端ない。
◎: スポーツ映画の中でも、本作はキレイごとではすまない監督業のストレスの高さに焦点を当てている。ラストシーンで独りで咆哮するカート・ラッセルの姿は印象的。
◎: 終盤2試合は、映画とは思えぬ大迫力。これが演技とは思えない。
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