爆裂BOX

キラー・ホビー/オモチャが殺しにやって来るの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.6
クリスマス・イヴの晩に見知らぬ者から届けられた「クリスマスまで開けないで」というメッセージが添えられたプレゼント。だが、少年デレクが待ちきれずに開けてしまうと、中から飛び出したサンタ人形が父親を惨殺してしまう…というストーリー。
ブライアン・ユズナ製作のクリスマスに殺人オモチャが人を襲うクリスマスホラー。「悪魔のサンタクロース」シリーズの5作目ですが、ストーリーの繋がりはなくクリスマスをテーマにしたホラーというだけのようですね。
父親の殺害現場を目撃したためにショックで口がきけなくなったデレク少年を何とか元気づけようとおもちゃ屋へ連れていきますが、やがて少年の周りで不可解な出来事が起き始めるという内容です。
「ドールズ」や「パペット・マスター」のような人形ホラーではありますが、上記二作ほどキャラ立ちしたオモチャがいる訳でもなく、襲撃シーンもありふれたものですね。芋虫のオモチャが口から入って目玉押しのけて登場するシーンはジャケットだとグロいけど、本編では暗くてグロさ押えられた感じでしたね。他人の家のベッドでイチャつくバカップル二人が襲撃される場面で、腕だけのオモチャが尻触ったら「もっと頼む」と両方とも悶える場面は笑ってしまいました。その後の戦車やおもちゃの兵隊が一斉射撃や砲撃食らわせてくる所や、丸鋸カッター車体の側面から飛び出させて襲ってくるミニカーなどは中々面白くて良かったです。あれだけ撃たれまくって血まみれになっても生きてるベビーシッタースゲーな。
主人公母子の周辺をうろついて見張る怪しい男というミスリード要員も出てきますが、「ピノキオ」のゼペットじいさんとピノキオがモデルと思われるおもちゃ屋の店主ペトーと息子のピノがどう考えても怪しすぎてミスリード要員にもなってない感じ。ピノ役の役者さんの常に目を見開いて瞬きせず無表情な感じが非人間感感じさせて素晴らしかったですね。
ピノが主人公の家に無断侵入したり、怪しい男がサンタのバイトしながら秘密行動したりと中盤は話が散らばった感じになりますが、後半でいきなり大人のメロドラマぶっこんできたりして何処へ向かうのかと思わせますが、そこからの真犯人が明らかになる超展開は結構面白くて良かったですね。ここで登場するロボット人間の半分人間で半分ロボットのような造形が見事。スクリーミング・マッド・ジョージいい仕事してます。いつもの様なグチョドロな感じではないけど。このロボット人間が「ママ―!ママー!愛してるよ!」と言いながら何もない股間押し付けてピストン運動してくる所最高にキモくていいですね。デレクへの歪んだ愛憎も面白い。上半身だけになって「父さん助けて」や「父さんには愛されない」という台詞は哀愁感じさせていいですね。
サンタホラーではなくなったけど、終盤の展開などインパクトと見所あって楽しめました。