ゆきの

ゴッド・イン・ニューヨークのゆきののレビュー・感想・評価

3.3
『君たちは同じパンなのに、味を競っているにしかすぎない』
と、神は宣っております。
でもその味の競い合いは人類が出来てから一度も和解したこともないし今後も味を競うしかできない生き物なんだろう。


ニューヨークの拘留所に8人の男がぶちこまれる。イタリア人、アジア人、イギリス人…。人種が異なる8人と汚らしい男が1人。彼は自分を神だと名乗る。



密室劇でとても面白かったけれど、TSUTAYAのコメディ欄に置くのもなんか違う気がするなあ笑
ブラックジョークというか、まんま世界で起こってる人種の対立をギュッとニューヨークの拘留所に縮めて見てるので、笑うとバツが悪くなりそう…笑
そして互いが互いの「レッテル貼り」にとらわれ、果てにはピラミッドをどっちが建てたかなんて争った時は笑いましたさすがに。
人種の争いから、個人のバックグラウンドに共感もしてみせ、そこからゲイだのゲイじゃないだのでまた揉める。
そんな忙しい8人に対して、この神は言うわけですよ。お前らパンだろって。
そんな神様に対しても、彼らは「お前が神なら前科持ちの神じゃないか!そんなのあるわけない!」と大爆笑。
これもまた「レッテル貼り」ですね。
神様が万能だとか、前科持ちじゃないなんて人間が作り出した設定に過ぎない。

しかしこの前科持ちの神様、たまに良いこと言うんですよ。
謎の体操もするし。
しかしもう少し回想シーンにやり方あっただろうと思う反面なかなかアイデアが面白いのでご賞味あれ。
ゆきの

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