眠人

仁義の墓場の眠人のネタバレレビュー・内容・結末

仁義の墓場(1975年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

戦後に実在したヤクザである石川力夫の生涯を描いた作品。闇市の小競り合いが描かれる冒頭はさながら『仁義なき闘い』のよう。親分を切り付け、兄弟分を殺害し、覚醒剤に溺れ続ける石川(渡哲也)の壮絶な人生に沿うかのように、終始画面は揺れ動き、人が入り乱れ、役者の顔も判別出来ない場面が多々ある。色調がセピア色になったり、画面が固定されたりと「静」の部分もあったけれど、圧倒的に「動」の部分が多い。その不安定さがこの映画の特徴かもしれない。仁義もへったくれもなく、石川(渡哲也)が暴れまくる映画だった。この作品で初めて安藤昇の演技を観た。顔立ちは二枚目で、もの静かな立ち振る舞いからは威厳が滲み出ていてとても魅力的だった。
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