ひれんじゃく

イカリエ-XB1のひれんじゃくのレビュー・感想・評価

イカリエ-XB1(1963年製作の映画)
4.9
なんも知らずに観たけどどちゃ良かった。冒頭で登場人物がたった二言だけ発してスルンとスタッフロールに入るその手際の鮮やかさに痺れたし陰影がとにかく美しい。カラー映画にはない美があった。ちょっとネタバレしてるかもなので注意。



















独特の音楽とか独特の構造物(UFOみたいな遭難船は流石に笑ったしロボットのロボットらしさ本当好き)も見入ってしまったし、バッドエンドSFの見過ぎで放射線浴びたってなった時には「これ20世紀の宇宙船と同じく全滅ルートを辿るのでは??」と思った。しかしそんなことはなく。人類で初めて宇宙での出産を成し遂げたし本来の目的である「未知の生命体を発見する」こともできたわけだし。まあ発見というよりは発見されたという方が正しいかもしれないけど。相手が助けてくれたのが熱かったな。
遭難船に入ってみて残り少ない酸素をめぐって殺し合いが行われた生々しさとか、被曝した船員が「地球は見えない、だからもう滅んだんだ、地球に帰してくれ」って暴れるシーンとかの緊張感とのバランスがすごい良かった。メリハリが効いていて。後の方の展開を冒頭に持ってくる手法が大好きなんでありがたかったしハラハラさせられながらもサクッと観られるお手軽さもある。良い。そして音楽がすごく良かった。沈黙との使い分けが。
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