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影の列車のcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

影の列車(1997年製作の映画)
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古いフィルムの中で甦り、永遠の命を手に入れた人々。


大好きな“シルビアのいる街で”の中でも印象的な“影”。この作品の中でもやっぱり夜の部屋に映し出され、動いては姿を変える影にやたらと魅せられるし、揺れるカーテンや木々、川面、そして、それらを照らす光もまた印象的だった。ものの見方、切り取り方が本当に素晴らしい。

ゲリンの目を通して見ると、窓ガラスに映し出される世界と、窓ガラスの“向こう側”の世界は、まるで別世界なんだ。あっち側とこっち側、過去と現在が、確かに同時に存在している。フィルムから甦り、命を宿され、現れた幽霊。夜にうまれ、夜に溶けていく音と、影とが手伝い、やっぱりホラーっぽくもあるから不思議。前に観た時よりもっと好きだった。大事にしたい作品。
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