ジャン

秘密指令(恐怖時代)/秘密指令 The Black Bookのジャンのレビュー・感想・評価

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サスペンスの数珠つなぎで一気に見せるのは最近の大作アクション映画の原型を想起した。(まさに追手から逃げるアクションもあり。)
鏡を使った二重化、クロースアップ(時に煽りで撮る)、奥行きのあるショット、俯瞰、ノワール特有の影に差し込む光の捉え方など、あらゆる技法がそれを支えており、何より官能的でさえある素晴らしさがある。
序盤の主人公による敵の殺害シーン、ヌッと腕がフレーム外から伸びてくる恐ろしさがあり、その後に来る女との暗闇の中でのやりとりから、その後の明かりを灯すショットまで、完璧だった。
見せ物としての処刑やそれを喜ぶ大衆は、フランスの歴史の一つの原風景でありつつ、メリエスにはじまる映画の原風景でもある。
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