チバレリアン

バタリアン リターンズのチバレリアンのネタバレレビュー・内容・結末

バタリアン リターンズ(1993年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

カート(J・トレヴァー・エドモンド)は事故で亡くなった恋人ジュリー(メリンダ・クラーク)を蘇らせるため、軍人である父(ケント・マッコード)の研究施設へ忍び込み、死者を蘇らせるガスを使用する。ジュリーは息を吹き返したが、強い空腹感に苦しみ…。

ゾンビ映画というジャンルの枠組みで純愛ドラマを描いた作品であり、チープな部分も多いが、役者陣の熱演などにより胸を打つ作品となっている。変容する自分の身体をどうすることもできない、という普遍的な恐怖、そしてゾンビにとっての「飢え」の苦しみがしっかり描かれていることで、"ハッピーエンドは訪れない"という予感が生まれ、物語に切実さが宿る。痛みで正気を保つため、ジュリーが手にガラスを突き刺したまま、平静を装ってカートをセックスする場面の 悲壮感と切実さが強く印象に残った。その後、壮絶な姿となったジュリーが現れる瞬間のケレン味も良い。
主人公のふたり以外も、ゾンビの特殊造形は1体1体こだわりが感じられるし、リバーマンのコインのエピソードも印象的だった(彼についてはいわゆるマジカル・ニグロ感は感じたし、不良たちがラテン系だったりする点などにも人種的ステレオタイプを感じる部分はある)。