後入れかやく

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦の後入れかやくのレビュー・感想・評価

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 何回観ても泣いてしまう名作。クレヨンしんちゃんらしくないけどクレヨンしんちゃんでやるからこそ面白い。戦国にタイムスリップした野原一家が異質な存在であることは、作画からもはっきりしているんだけど、自由に生き自由に人を愛することができる「現在」が、いかに当時の人々にとって遠い存在であったかに想いをはせることができる。
 当時なら出会うことすらなかったであろうひろしとみさえが家族になっていることが、又兵衛や廉をどれだけ切ない気持ちにさせただろうと思うと、胸が苦しくなる。そして、おバカでお下品、それでいて自由なしんのすけの存在が、お互いに想いを伝えることはできず結ばれることはない又兵衛と廉に、お互いを想っていることが言葉にせずとも伝わるような心通わせる時間をわずかながらでも与えたことを思うと、うれしくてあたたかな気持ちにもなる。又兵衛が討って出る夜明け、廉が衣を捨てて外の様子を見に行くシーンで涙があふれた。