浅野公喜

サランドラ IIの浅野公喜のレビュー・感想・評価

サランドラ II(1984年製作の映画)
3.0
Youtubeの映画チャンネル、Flick Vaultで鑑賞可能な東宝東和の誇大広告で有名な「サランドラ」の第二作。監督脚本は前作と同じウェス・クレイヴンで個性的なビジュアルのマイケル・ベリーマンも続投。

砂漠地帯で若者グループの車が立ち往生するという、前作とほぼ同じストーリー。殺人鬼一族の一人だったものの彼らから逃れ、普通に生活する女性をはじめ前作の生き残りも登場し彼らと一族の対決が期待出来そうですが、すぐ退場するうえにメインキャラではないので存在感が希薄。女性の一人は目が見えると思ったら中盤から唐突に盲目だったという不自然さも気になりますし殺人はトラップメインの控えめなもので生き残るキャラも想像通り、更にBGMが「13日の金曜日」でお馴染みハリー・マンフレディーニなので劣化「13金」という印象が拭えませんでした。

しかし殺人鬼視点で若者に高速で迫るという「死霊のはらわた」的襲撃でタックル→建物のガラスを突き破り襲う辺りはインパクト有りでマイケルの「マッドマックス」or「北斗の拳」的ビジュアルは弱いくせに妙にカッコよかったりで笑いを誘います。

同時期のウェス監督の大出世作「エルム街の悪夢」と月とすっぽんみたいな作品ですが、Imdbを見るとお金が必要で仕方なく作った&「エルム街~」の大ヒット後、予算の関係で製作中断していた今作を撮り終えた3分の2の映像のみで完成させろと言われたらしく、監督本人も不本意だったのか認めてない作品のようです。前作の回想が多めなのも上映時間を延ばす為のようで。
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