アキラナウェイ

ストリート・オーケストラのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ストリート・オーケストラ(2015年製作の映画)
3.2
弊社はお盆休みがないので、各自が有給を取るんだけど、僕は今回6連休を頂いて、明日は出勤…。

しゅっ…きん…?
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。

あーーー!!
めっちゃ嫌ですッ!!

…取り乱しました。レビューします。

かつて"神童"と呼ばれたヴァイオリニストのラエルチ(ラザロ・ハーモス)。サンパウロ交響楽団の演奏者の最終審査でも、手が震えて演奏出来ず、不合格になってしまう。背に腹は変えられず、やむなくラエルチは、NGOが支援するスラム街の子供たちのヴァイオリン教師になる。

地球の反対側、ブラジルのスラム街。
貧困、暴力、街を牛耳るマフィア。
子供達を取り巻く状況は厳しい。

彼らは、じっと座っている事も出来ないし、
音符も読めないし、
演奏もバラバラ。
ラエルチとしては、指揮棒をポイッと投げ出したくなる様な状況だが、彼の指導により、子供達が成長していく。

ストーリーはTHE・王道。
ダメっ子達の成長物語。

青空の下、子供達と即興で演奏するシーンはとても楽しげ。音楽と映画ってやっぱり相性がいい。

土曜日にもレッスンをするぞ、とラエルチが伝えた時。
子供達の反応から、彼らが置かれている状況が如何にシビアなのかを知らされる。

働かないといけない子供達。
親に殴られてばかりの子供達。
クレジットカード詐欺に手を染める子供達。
ブラジルの闇は深い。

実話を基にしているので、もう少し脚色を加えても良かったか。淡々と描かれていくので、心には残り難いかも。

しかし、とある少年に起きた不幸な事件と、その事件を引き金に、警官隊に詰め寄る民衆を映し出すシーンは、リアリティと迫力に満ちていた。

彼らに比べれば、仕事をさせてもらえているのだから、文句を言っちゃいけないね。

現実を受け入れて、明日出勤します。