ねこ無双

ベルリンのリュミエールのねこ無双のレビュー・感想・評価

ベルリンのリュミエール(1995年製作の映画)
4.5
これはほっこり暖かくステキな気分になれます。
ドキュメンタリーだけど、回想部分は俳優たち(ウド・キアー!)が演じている。
娘を演じる女の子がとてもキュート。

映画の前身、シネマトグラフを発明し、評判となったリュミエール。
でも、その数週間より前に、スクラダノウスキーという男がビオスコープという方式をベルリンで発表していた。
先に脚光を浴びるはずだったが…。

その当時を楽しそうに振り返る愛娘さん。
(といってもおばあちゃんになってるが…)
そして、撮影クルーとしてそのインタビューを微笑み、見守るヴィム・ヴェンダース監督。
映画愛なんですよね〜…。

過去パートの映像は、モノクロでまるでトーキーみたい。チャップリンの映画のような動き方。
1895年当時、5歳だった女の子。
自動車もなく馬車の往来、映画もまだベルリンにはなかった。
パパの名前はマックス・スクラダノフスキー。
縁日で幻灯を上映して生計を立てる毎日。
(幻灯とはスクリーンの向こうから自ら描いたガラス絵を光に当てて、絵を映し出したものです)
その頃は映写機もない時代。
叔父さん二人も合わせた家族経営。夢に溢れた日々が描かれます。
そして世紀の発明、ビオスコープ!

富と名声は手に入らなかったが、第1号は私たち。
その後もチャレンジし続けたスクラダノフスキー。情熱が褪せることはなかった。

過去と現在がクロスオーバーして、ベルリンの街並みが映し出され、続くモノローグにはぐっときます。
何人もの忘れられた映画の先駆者たちへ捧げられた映画!