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ベルリンのリュミエールのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ベルリンのリュミエール(1995年製作の映画)
3.6
最初に、邦題について。原題通りに「スクラダノフスキー兄弟」と名前を入れてほしかった。「何人もの忘れ去られた映画の先駆者たちへ」とエンドロールにあるのだから。

ベルリンで、リュミエール兄弟より2ヶ月ほど早くビオスコープを発明して映画上映した三兄弟の話。

ヴェンダースが監督し、学生たちと共に製作。スクラダノフスキー兄弟の娘へのインタビュー映像と製作秘話の再現ドラマで構成されている。


芸人のスクラダノフスキー兄弟は、見世物小屋で幻灯を回していたことから、映画のヒントを得た。三人は精密機械やカメラに関してはまったくの素人だったが、アイデア豊富な発明家であり、ガラスのスライドを光の三原色に分解し、三枚合わせて自然光に見えるように作っている。

リュミエール兄弟より早く上映したが、次男のマックスはリュミエールの映画を観て、全くの敗北感しかなかったという。

しかし、リュミエール兄弟の映像とは違い、芸人のスクラダノフスキー兄弟は観客を楽しませようと、見世物としての娯楽映画を最初から目指していた。

スコアを上げられなかったのは、著作権の問題だったのか、実物映像がなく、再現映像を繰り返していたこと。
エンドロールの映像だけは本物に見えたが、どうなんだろう。何十回も同じ映像が16分繰り返された…

ヴェンダースとその教え子たちの実験的作品だった。
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