【死女の羽衣】
自宅発掘DVD再見にて。
70年代、斜陽化する怪奇映画の老舗ハマー・フィルムが、エロ増しで再起を狙った一本。日本でも日活が、本作の翌年ロマンポルノを始めたというシンクエロニシティ。www
ファニュの原作は未読で忠実度はわからないが、レズビアン描写が“活かせる”素材として選ばれた気はする。
要は、吸血女パラサイトのお話。16世紀のオーストリア。名家を狙い、魅力的な居候として入り込んで若い娘を誑かす。
どうも、この女吸血鬼は元々レズビアンらしいが、相手を殺す前提で躊躇なく、愛を囁くそのやり口からは、作り手が無邪気なレズフォビアでは?とも思えてしまう。
無邪気といえば、おっぱい映画としては合格!谷間披露にとどまらず、メイン女優陣が皆ご安心くださいちち、はいてません。
中でもマデリン・スミスの半球型ツイン・ピークスは、ゲージツとも言えましょう。彼女は、本作のアイドルとして輝いておりますね。この後も、ルッキズムの奴隷的芸歴だったようですが。ボンドガールとか。
要の、一時ホラークィーンでもあったイングリッド・ピット姐さんも素敵ですが、実際のお年より枯れて見え、誘惑力不足かと。肌の見せ所を間違えたカンジ。この後のエリザベート・バートリ風なのや、『ウィッカーマン』のあの役の方が合っているかと。
演出は、大衆向け職人監督がしゃきしゃき撮っているので話が早くていい。時に、イーサン・ハント顔負けの早業仕事をやってのける吸血チーム。
その一方、もっとお耽美にいざなってほしいところが、そうはならない…けち。
ツカミはよかった。吸血鬼は昼に寝ている間パジャマを着ていて、夜、徘徊する時脱ぐのだが、パジャマがないと寝られないらしい。…こどもか!
そんなだから、仕留めたいハンターから、パジャマを狙われることになるが…
このシークエンスが、そうなるルールはよくわからないがwww唯一、夢幻的で酔えました。
でもその後は、しゃきしゃき。だからおっぱいも即物的。悪くない展開ですが、意外性はやっぱり、ない。
自分が見たいおっぱ…いや、個所を見つけて集中すれば、あまり古さを感じない佳作になるとは思いますが。
それにしても、新生ハマー・フィルムはやっぱ、続かなかったのだろうか?
<2024.2.14記>