Jimmy

赤目四十八瀧心中未遂のJimmyのレビュー・感想・評価

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)
4.3
荒戸源次郎監督作品。
底辺を漂うように生きる人達の中で、ある男女が心中しようとする山中を瀧のイメージ鮮烈に描いた不思議な感覚が残る映画。

この世の中に居場所がないと思った男(大西滝次郎)が東京から尼崎に辿り着く。そこでホルモン焼き屋の女主人(大楠道代)に雇ってもらって、自分のアパートでせっせと内臓を串に刺す作業を続ける。ただひたすら肉などを串に刺していくが、彼の前に現れた女性は綾(寺島しのぶ)という怪しい女性。背中から尻にかけて翼を広げたような刺青がある。
二人はやがて男女の関係になる。寺島しのぶは映画初主演で大胆ヌードを惜しみなく見せる。(本作と前後しての『ヴァイブレーター』でも同様)
そして、女性(寺島しのぶ)は「この世の外へ(行きたい)」と男に行って、二人は赤目四十八瀧に向かう。

本作はカメラが素晴らしく眼を見張るものあり。(撮影監督は笠松則通)
ヒッチコック『めまい』で使われて、スピルバーグも『ジョーズ』の海辺ロイ・シャイダー場面でも流用した、カメラを引きながらズームする手法が本作でも効果的に使われていた。

観終わって、強烈なインパクトに残るのは、やはり男女二人が四十八瀧で心中しようとして森の中をさまよいながら、瀧、そして少年も映る場面だが、特に凄かったのは白い服着て水面に浮かんだ寺島しのぶを映した映像は見事!
Jimmy

Jimmy