猫道

赤目四十八瀧心中未遂の猫道のレビュー・感想・評価

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)
3.5
ゆえあって私は現在無職なので、自分は「社会的な幽霊」であると感じる。平日昼間に自由に出歩けるし、縛るものが金銭の制限しかない。だから、主人公とヒロインがばっちりなタイミングで2人とも(ある意味で)「幽霊」になって、暮らしている街から外に出ていく後半は染みるものがあった。

原作である小説のクライマックスの迫力には敵わないが、小説の人物達がそのまま出てきたようなキャスティングと俳優の芝居が素晴らしい。「原作のPV」みたい。役者を鑑賞する映画かもしれない。

2003年 映画館で映画を観る
2023年 原作を読む
2024年 DVDを買って自宅で再度観る

自分はこの流れだったので、とても楽しめた。先に原作を読んでいたら、もう少し評価は下がっていたと思う。小説へのリスペクトを強く感じるが、映画化するならもっとリミックスしてよいと感じた。そもそも文学と映像は別物だ。
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