乙郎さん

赤目四十八瀧心中未遂の乙郎さんのレビュー・感想・評価

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)
3.0
車谷長吉の傑作小説の映画化ということで、お膳立ては揃っていたけれども、何ていうか、最高の食材をうまく調理しきれなかった印象。基本、原作を忠実に映画化している。では何が足りないのかというと、やはり語りなんです。作の語りによって発生するグルーヴに代わるものを打ち出せなかったかな。だから、かなり後の方になるまで、いくら文学作品とはいえここまでフックがないのはなあと思ってしまった。ただ、終盤になってストーリーが幾分か動き出して、ノワール化してから面白くなってくる。
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