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赤目四十八瀧心中未遂のmuraのレビュー・感想・評価

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)
4.5
荒戸源次郎が死んだ直後に、赤目四十八滝に行ってみた。この映画を見て以来、ずっと心に引っかかっていた場所で。でももう13年も前の作品になるのか…

アマ(尼崎)にやって来た生島(大西瀧次郎、のち大西信満)と、アマで生きてきた綾(寺島しのぶ)の危うい恋愛を描く。最後にたどり着くのが三重県名張市の赤目四十八滝。アマも赤目も、生と死が入りまじり、夢か現かわからない世界として登場する。

今回見直してみて、なぜだかよく憶えていたのが天王寺のコインロッカーのシーン。ふたりはここから赤目四十八滝に向かう。ただ、今回赤目に行ってみて気づいたが、赤目に向かうには近鉄を利用するので、まずは天王寺から鶴橋にでも移動しないといけないなと。

いや、細かいことのようだが、そうなら天王寺が出発地であることに意味があったのかと。

そこでもう1つ気づいたのが、綾の背中の刺青。迦陵頻伽(かりょうびんが)が描かれる。仏教では極楽にすむ鳥とされる。だから二人は、赤目に天王寺(四天王寺)から向かうのか。男と迦陵頻伽の死への旅立ちということか。

天王寺のコインロッカーの番号が(たぶん)「444」であるのも示唆的(笑)

なんて勝手に推測してみた。いやぁ、やっぱり映画の舞台となった場所を訪れるのは楽しい。新たな発見がある。その上で、この映画の舞台となった場所はすべて魅力的で、それがこの映画を一層面白くしているんだなと。改めて思った。

ということで、次はアマで飲んでみたいな。そこだけは触れちゃいけない世界のようにも思えるけど(笑)
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