マーくんパパ

赤目四十八瀧心中未遂のマーくんパパのレビュー・感想・評価

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)
3.6
尼崎市のボロアパート、東京から逃げてきた元作家、唯一の友が新解くん(手垢にまみれた付箋だらけの新国語解明辞書)、生きる希望は捨て暗いアパートの一室で黙々と串刺し肉の下ごしらえする日々。彫り物師の一家、売春婦紛いの女と組の金に手を付け妹の身体を売り飛ばしてカタにしようとする務所帰りの兄。虚無感と退廃感漂わす猥雑な空間から、女の心中行に付いていく男、目的地とした三重県赤目瀧の神々しい静謐さが対照的な空間、題名から未遂に終わる事はわかっているが2人に再生の途は開かれるのかと緊迫感を持って見ていられる。