【2003年キネマ旬報ベストテン 第2位】
直木賞を受賞した車谷長吉の同名小説を映画化した作品で、寺島しのぶが国内の主演女優賞を総なめし、作品自体もブルーリボン賞と毎日映画コンクールの作品賞を受賞した。
ミレイのオフィーリアをもろに意識したであろうジャケットに惹かれたのだが、なんとも掴みづらい作品だった。
寺島しのぶの色気や大西信満の無表情の堅さや内田裕也の存在感などキャストはよかったものの、映像表現が色々と狙いすぎで冷めてしまった。
終盤はシュールな映像表現と話のトーンが合っていてよかったのだが、そこまでの大半部分に覇気がなく形式だけで話を進めるような強引さを感じてしまった。
面白い気も最後にはしたけど乗り切れない作品だった。