矢嶋

SF巨大生物の島の矢嶋のレビュー・感想・評価

SF巨大生物の島(1961年製作の映画)
3.2
現在の基準で言えば特撮技術は当然ショボいものの、時代を考えれば結構いい線いってると思う。カニなんかが典型だが、ストップモーションとの合成と実物大の着ぐるみを上手く切り替えている。火山とか海賊船も迫力あったし。気になるのは、巨大生物よりも風景が書割なこと。

巨大生物がそこまで極端にでかくなく、どうにか倒せてしまうレベルなのもあいまって、特撮というよりサバイバルものとして見られる。それだけに、ネモだの海賊だのが出てきて島が関係なくなってきた辺りはどうしようかと思った。しかし、生物の巨大化にネモが関与していたことが分かり、意外と設定は考えているんだなと。彼の思想はちょっと面白い。

ただ、やはり彼の存在が便利なお助けキャラ過ぎる点と、彼だけ電気銃とかSFガジェット出してきた点が気になる(潜水服がああなので尚更)。彼を除いても料理だのエレベーターだのと上手く行き過ぎていて、仲間割れとかもほぼなかったので、普通にサバイバルものとして力を入れた方がまとまったように思う。生物巨大化に関する設定の根幹だけ残して、その要因はネモから変える。そして、主要人物の心身が消耗する描写があれば結構すっきりまとまるように感じた。
矢嶋

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