ダイナ

SF巨大生物の島のダイナのレビュー・感想・評価

SF巨大生物の島(1961年製作の映画)
3.5
1961年公開のアメリカ冒険映画。
今から60年前の映画で、原作「神秘の島」が発表されたのはなんと1874年。150年前のストーリーを映画として観ることができて、良い時代になったなあと思いました。(映画用に話の改変は多少あるみたいですが)

原題は「Mysterious Island」原作と同じで、邦題で「SF〜」となりました。「神秘の島」そのままでもよかったのと思いますが、邦題も人を惹きつける魅力があります。「巨大生物」というワードが持つ魔性の魅力には逆らえない!

本作の魅力として巨大生物と背景美術を挙げます。
まず巨大生物について、本作で登場する巨大生物は人形を使ったストップモーションで映されてています。この動きを見て私はロボコップの敵ロボットを思い出しました。人間の動きとは異なる異質な滑らかさといいましょうか。それが巨大生物の脅威を感じさせてくれていてとても良かったです。

次に背景美術について、島での冒険にあたり、背景が絵画チックに表現される場面がいくつかあるのですが、実際の人間・非現実的な背景が合わさる所が不思議に映り島のミステリアスな雰囲気が伝わってきてとても好きです。なので神秘の島というタイトルも良かったなあとしみじみ。

巨大生物を倒した後、ハーモニカなんか演奏しちゃったりして喜びを分かち合うシーン。こういうギクシャクしてた人達が苦難を乗り越えて打ち解けるベタベタ・コテコテシーンがとても好きでして。本作の発表時期を考えるとベタ展開というより、王道展開の元祖なのではとも思ったり。

余談ですが、本作を調べる過程で「巨大生物の島(1976)」という本作からSFを抜いたタイトルを見つけました。原題は「THE FOOD OF THE GODS」で本作と異なるのですが、日本語名で調べるとややこしいので要注意です。SF無しの方をちょっとだけ調べてみたところ、本作が生物を人形アニメで表現していたのに対して、「ストレート」に巨大生物を表現していてあちらも面白そう。
ダイナ

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