まさわ

どぶろくの辰のまさわのレビュー・感想・評価

どぶろくの辰(1962年製作の映画)
3.8
山を崩しての道路建設中に不発弾が出て何人も死ぬが社長や現場監督は工期が伸びるのが嫌で労働者はコマ扱い、さながら強制収容所。命が掛かる仕事を無理強いするために東京から女をたくさん呼んで「いい思いさせてやる」と「女を褒美」にする展開や、冒頭の淡島千景を賭けの対象にするのも、おさんどんする池内淳子への男たちの群がり方も、昭和の野蛮さがつらすぎる…
しかし三船は荒くれだが誠実な「ヒーロー」だし、劇中には「時間外労働は違法だ」「こんなタコ部屋、いつだって自分たちで壊せるんだ」というセリフもあるし、「この道路が開通すれば社会貢献になる、誰かがやらなきゃいけない仕事」と労働者の矜持も語られる。全体は荒々しい喧嘩満載のアクション映画だけど、昭和を映す労働者映画だった。
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