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パンと裏通りのsonozyのレビュー・感想・評価

パンと裏通り(1970年製作の映画)
3.5
アッバス・キアロスタミの処女作となる約11分の短篇。

「オブラディ・オブラダ」の陽気なメロディに乗せて、母にパンを買ってきてと頼まれた感じの少年が缶を蹴りながら路地を歩いている。
途中、犬に吠えられ先に進めなくなってしまう少年。(音楽も止まる)
※このジャケ写の下半分の少年です。(上半分は『トラベラー』ですね)

ロバに乗った男や、自転車に乗った男などが通り過ぎる。
悲しいような、眠いような、何かを待っているような..涙を拭きながら立ち尽くす少年。

再び軽快なJazzと共に、一人の老人が歩いてくる。
彼についていけば犬も怖くないはずと、老人と並んで歩き出す少年だが・・・・

少年が脇に抱えてる平らなナンのようなパン。イランの「サンギャック」というパンでしょうか。どんな味なんでしょ。

後半からラストまでの展開も微笑ましい。
キアロスタミ監督お得意の素人の子供を使っての巧みな心理描写、見て取れました。
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