キネマ寸評

ナイトライダーズのキネマ寸評のレビュー・感想・評価

ナイトライダーズ(1981年製作の映画)
4.0
Dawnの後、Dayの前に撮られた流れ者コミューンのロードムービー。

ヨーロッパ騎士道とアーサー王、馬上槍試合をコンセプトにした催事で生活するオートバイ旅一座。幸せで自由な毎日に警察のたかりや一儲けしようとする興行主が段々と寄ってくる。座長のビリーはその主義を曲げないが、時代の波と変化はどんどんと迫ってくる。


70年代での自分探しからのニート化は最終的にコミュニティへと発展。Vanillaのクリス、クレイジーズのヒッピー達、マーティン、Dawnの彼等やバイカー達もここに引き取られていたわけだ。自由主義者は寄り集まって社会を形成、ここに来て時代に侵食されていくが、これはヒッピーの刹那を謳っているのではなく、時代に適応した変化を描いている。

ネタバレーーーーー
王を引き継いだモーガン達は上手いこと金を稼いでこのコミュニティを今後維持していくのだろう。老兵は退くが、その前に権力ドラゴンを倒し、子供に剣を授ける。漢だ、男だ。こうありたい。泣けるビリーの死が80年代の始まりを象徴するようだ。

オートバイの造形やファッション、騎馬戦がこの頃流行りのポストアポカリプス系の中世逆戻りデザインでしびれる。特にモーガン一派の黒銀スーツと悪魔のような風防のバイクがかっこいい。

エド・ハリスのストイックな役作り、トム・サビー二しか出来ない役どころ、超絶かわいいパトリシア・トールマン。ロメロカミさんが今回は重要な整備士役。アンプラスはセリフのない白塗り道化だった。味のあるDawnのケン・フォリーとスコットHライニガー。詩人のBrother Blueが強烈な個性。冒頭スティーブン・キングもちょこっと。

バイクアクションも迫力があり、登場人物が多くドラマの見どころも沢山あって全体にはエンターテイメントな作品。
ロメロの各作品に共通する反体制な視点を理解するためにも1度は見ておきたい1本。
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