映画大好きザウルスくん

バトル・ライダーの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

バトル・ライダー(2007年製作の映画)
3.4
ドルフ・ラングレン監督作品第3弾!流れ者ライダーのドルフが田舎町を牛耳る悪徳権力者達をブチ倒す!という完全なる西部劇テイストの作品。馬の代わりにバイクに乗り、ライフルの代わりにショットガンを構え、ハットの代わりにサングラスを身につけるドルフはさながら現代版カウボーイ。終始格下の相手を格闘でボコしていく薄い展開が続くものの、その全てを溜めに使ってようやく訪れるラストのショットガン無双は快感の一言です!

全編銃撃戦で埋め立てた監督デビュー作『ディフェンダー』からロードムービー調が垣間見えた監督2作目『レッド・リベンジャー』を経て今回の落ち着きぶりに辿り着いたことを考えると、決してどれも傑作とは言い難いものの「押し」だけでなく「引き」のアクションにもチャレンジして自分の作家性と真剣に向き合い続ける人間臭いドルフが堪らなく好きになります✨

1作目から共通する銃声の迫力と手を抜かない肉体破損描写、2作目で試してみてハマったと思われるバイクシーンや西部劇テイストな作風。逆に1作目でチーム単位だった味方の数は今回いよいよ0人にまで減り、1人でカッコ良く無双する展開に。これはドルフが「観客が俺に求めるもの」を考えた結果辿り着いた答えなのかな〜なんて思いました!

格闘戦で少しくらい実力が拮抗するキャラがいても良かったと思うし、ラストバトルは沢山の殺しのバリエーションが見れたものの流石に大人数の敵と全て 1対 1で対戦していくのは状況的に無理がある気がするし、何なら途中から加勢してきた別地域のギャングが「あいつは殺したはず」と言っていたりラストで真正面から被弾したにも関わらずターミネーターばりに余裕でショットガンを撃ちまくって勝ってしまう辺り、更にはずっと聖書を読み神について語る設定などを考慮すると「もしかして今回のドルフは幽霊か神の遣いだったのでは?」というホラーチックなことまで頭によぎってしまう有様で、やはり出来がいい作品という訳ではないのですが「ドルフなら仕方がないか」と許せてしまう部分もあります(僕だけかもしれませんが…)。

人質を取られていないから一方的に悪党をボコせたし、ラスボスがドルフに怯えながらも最後はショットガンによる至近距離ヘッドショットを喰らって肉片を飛び散らかして死ぬという勧善懲悪な結末は『レッド・リベンジャー』と全く同じでお約束化してきたし、やはりドルフは面白い!ということで次の監督作がまたしても楽しみになる1作でした🥳