烏丸メヰ

パラサイト・バイティング 食人草の烏丸メヰのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

お気に入り作品記録。
Netflixでの配信が月末までとの事で再鑑賞。

南米へのバカンスの最終日、遺跡を訪れた若者達が遭遇する恐怖。
忍び寄る未知の“生態”、悪意なき殺意の絶対包囲網。

ほぼソリッドシチュエーションのクリーチャーパニックにして、『SAW』のような閉塞感と極限状態を持つ、群像劇中心のスリラー。
個人的に、メインの登場人物である若者達四人が(ホラーにありがちな仲間割れパターンでなく)団結寄りである事、ブレないキャラクター性、死に要員の為に無駄な人数がいる印象が無く役割や個性がはっきりしている事がかなり観やすく好印象。
群像劇にも、変なギスりや抜け駆けエロが死を招くみたいな、ホラー映画的(フラグの為の)寄り道のような無駄がほぼ無い。

更に、脅威となる「食人草」が強いキャラクター性や頭数といった“個”を持たないのがまた良い。
(オードリーを始め、オテサーネクやビオランテ等「草コワ」好きな私としてはここはかなり注目ポイント。『クズ・ゾンビ』も好きです)
恐怖対象となる存在にキャラクター性や襲撃の派手さを求める人には物足りない退屈さを感じるとは思うが、植物があくまでも
“(バケモノでなく)植物として怖い”
というのは私はめちゃくちゃ好みだった。

寄生描写の生々しさ、感情無く人を襲う忍び寄る補食、あとは、『アナイアレイション』とかでもあったけど生物としての突拍子もない能力のヤバさ。

感情を持たぬがゆえに、ふてぶてしいまでに貪欲に機械的に這い寄る捕食者の恐怖と、それに抗う人々の感情と生物的痛みや流血の生々しい苦痛の対比に、じわじわと追い詰められる。
烏丸メヰ

烏丸メヰ