真っ黒こげ太郎

パラサイト・バイティング 食人草の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.8
蔦が絡む!肉に食い込む!



例によって例の如くメキシコで旅行を楽しむカップル学生。
そんな中、知り合った考古学者が「仲間と共にマヤの遺跡の調査に向かう」とのことで、思い出作りの為同行することになった。

紆余曲折あって遺跡にたどり着いた一行だったが、突如殺意に満ちた地元民に学生の一人が射殺されてしまう。
学生一行はどうにか遺跡のの上へ逃げ延びるが、周りを武装した地元民で包囲されてしまい、脱出不能な状況に陥ってしまう。

学生一行は遺跡の中で携帯の着信音を聞き、助けを呼ぶための携帯を手に入れるため遺跡内部へ。
だがその遺跡は、地元民ですら恐れる食人植物の住処だった!!!




遺跡に訪れた若者たちが、謎の食人植物や植物を恐れる原住民に襲われるという、モンスターパニック・サバイバル・ホラー。
何でも原作小説があるらしいですが、詳しくは分かりません…。


お話自体はようある、危険地帯に入ってしまった若者が襲われるというありがちな内容。
ただ、主人公達は植物が外に出ることを恐れる地元民に包囲されてしまい、脱出不能になるというサバイバル展開が主軸となっている。

本作の前半は少々退屈だが、開始20分ぐらいで地元民が現れ主人公が遺跡に追いやられてからはかなり緊張案のある展開に。
主人公達が追いやられてからは極限状態のサバイバル展開になり、最後まで緊張感が持続し、最後まで見入った。

本作の食人植物は傷口から体に入り込み、更には体の中で蔦をうねうねと入りまわったり、死んだ人をそのまま引きずり込んだりする。
更には花から音を出して人を惑わせたり、精神攻撃までこなしたりとかなり不気味で凶悪。
草は基本CG表現だが、残酷表現にはグロメイクを多用してるため、かなり痛々しい。
負傷した仲間の足を切り落とす場面も見事なグロシーンだ。


更に追い込まれた人々の心理描写も徹底している。
草を恐れて絶対に逃がそうとせず、疑いがあれば仲間の子供ですら撃つ原住民。
怪我をした人物のエグイ処置。
更に草が入り込み発狂し、草を引きずりだすために体を切りつける学生。
その余りの極限状態のドラマは、観ていてグッタリすること請け合い。


ただ、クライマックスがあまりにもアッサリしすぎで、正直残念。
アレで終わるなら最初からやればいいのに…。
オマケに作中でリーダーシップを発揮する人が、正直裏目に出まくるので、余計にクライマックスの残念さが助長されてしまうのはどうかと思った。
また、思ったより食人植物はの出番が少ないので、モンスターパニックとしては少々消化不良気味かも。
(グロやスプラッターなシーンは沢山あるけど。)

なお、オチはこの手の映画でありがちな感じの奴だが、特典映像で別エンディングがあり、そっちはもっとバットエンドな感じになっていた。
(バットエンドではあるが、個人的には別エンディングのほうが好き)

不満点はあるが、サバイバル・ホラーとしてかなり良く出来た作品でした。
ゴアシーンもしっかり展開の盛り上げに上手く使われてるので、スプラッター作品としても結構満足しました。



かなりエグイ上に疲れる内容だが、埋もらせておくには惜しい逸品です。
結構オススメ。

…正直ここまでドン重だとは思わなかったので、観終わった後はものっそい疲れました…。w