カタパルトスープレックス

迷宮のヴェニスのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

迷宮のヴェニス(1990年製作の映画)
3.0
一筋縄では行かないポール・シュレイダー監督の代表作の一つです。途中までは分かったつもりでいました。しかし、最後に全部ぶっ飛ばして観る側を混沌に突き落としてくれました。うーむ、ごめん。分からんわ。クライテリオン版のBDで鑑賞しました。

ポール・シュレイダー監督はむしろ脚本家としての方が有名で、マーティン・スコセッシ監督の盟友としての方が知られています。「タクシー・ドライバー」(1976年)、「レイジング・ブル」(1980年)や「最後の誘惑」(1988年)の脚本家です。わお、すげーじゃん。脚本家としてもスゴいんですが、監督作品となるとぶっ飛びすぎてついていけません。ボクが初めてノーレイティングにした「魂のゆくえ」(2017年)もポール・シュレイダー監督作品。

ストーリーは非常に簡単なんですよ。ロベルト(クリストファー・ウォーケン)とカロリーナ(ヘレン・ミレン)の変態夫婦の餌食となった倦怠期のイギリス人カップルのコリン(ルパート・エヴェレット)とマリー(ナターシャ・リチャードソン)の話です。

分からないのがテーマ。何が言いたいのかさっぱり分からない。クリストファー・ウォーケンが変態だってのは分かる。分かりすぎるくらい、分かる。でも、なんでそんなことするの?途中までは分かった気になってました。倦怠期のカップルがクリストファー・ウォーケンの家に行ってから、関係性が変わった。うむうむ。なんか、分かるぞ!暴力的な何かがきっかけで変わることってあるよね!しかし、その後が分からん。

キャラクターもはっきりしている。クリストファー・ウォーケンは変態。ルパート・エヴェレットは斜に構えた嫌な奴。殴られて当然。女性陣はほぼ空気。つまり、クリストファー・ウォーケンとルパート・エヴェレットに焦点が当たっている。それは分かる。

しかし、(繰り返しになるが)テーマが分からん。一体何が言いたいんだ!!!