Benito

ザ・カーのBenitoのレビュー・感想・評価

ザ・カー(1977年製作の映画)
3.8
【 トラウマ級な漆黒のアメ車リンカーン大暴れ! 】

改造されたとはいえ、ごっついアメ車リンカーン・コンチネンタルマークIIIという漆黒の角張った車は、運転手も見えないし、その佇まいだけでも怖いのに、凄いスピードで砂塵を撒き散らし、ホーンまで鳴らしてやってくる…

「激突!」1971年
「ザ・カー」1977年
「クリスティーン」1983年
「地獄のデビルトラック」1986年
「処刑ライダー」1986年

どれもタイプの似た作品。
カテゴリー的には自動車ホラー!!
嫌いじゃない怖めの映画たち。 

今回の「ザ・カー」は余計な説明が一切ない。そのミニマルな演出は「激突!」に近い。ある意味スタイリッシュ。車の造形は「クリスティーン」の方が美しいけど「ザ・カー」の最後まで続く不気味さあたりは「激突!」のエンディングより勝る。そんな感じ。

劇伴はレナード・ローゼンマン。
あの「エデンの東」や「理由なき反抗」を担当したコンポーザーだから意外。今回は不協和音だったり、不穏な曲調ばかりだし、メインテーマが「シャイニング」でも使われたベルリオーズの"幻想交響曲 第5楽章" 後半部(オリジナルはグレゴリオ聖歌の"怒りの日" )が引用され冒頭に流れるからゾクゾクした。

あと、70年代〜80年代に活躍したジェームス・ブローリンは「カプリコン1」とか「ジャグラー ニューヨーク25時」の主役作品好きだった。TVの洋画劇場でよく観てた… 懐かしい!! 息子ジョシュも活躍中で嬉しい!
あと所長のエヴェレットはジョン・マーレイが演じていたけど、この人「ゴッドファーザー」で血まみれの馬の首を、寝ている間にベッドの中に置かれてた映画プロデューサーを演じていた、コルレオーネ・ファミリーにガチで脅されたあの人だった。

そして、驚きは「ザ‥カー : ロードトゥーリベンジ」というリメイク作品があるらしい。70年代の独特な空気感の再現は期待出来ないけど、いつか観てみようかなと…
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