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ブラックジャックのsugasanのレビュー・感想・評価

ブラックジャック(1998年製作の映画)
1.7
『フェイス/オフ』という神がかった傑作をハリウッドに叩きつけた直後に(実際の撮影時期は前後するかもしれないが)ドルフ・ラングレン主演の低予算TVムービーを撮らされるという、我々に社会の厳しさを身をもって教えてくれるジョン・ウー学校の教材ビデオ。

幼少期に父親を救えなかったトラウマと閃光弾の光で"白いもの"恐怖症になってしまった(何で?)我らがドル叔父貴。
牛乳工場に逃げこんだ犯人に全身に牛乳を浴びせかけられボコボコにされたり、恐怖症を克服するために「マシュマロ...白い雲...砂糖...」と愉快な白いもの連想ゲームを始める姿は「俺は一体何を見せられているんだ?」と激しい頭痛に見舞われること必至。

ストーリー自体はボディガードものにサイコ風味の犯人をプラスした百万回見たような筋書きだが、親友の娘を引き取り良き父親になろうと奮闘したり、精神科の女医や護衛対象のモデルといい雰囲気になったりと、幅広い年代の女性に振り回されるキュートなドルの姿は本作唯一の見どころと言ってもいいかもしれない。

アクションシーンは並レベルなので、ジョン・ウーのネームバリューによる過度な期待は禁物(2丁拳銃:有り、ロングコート:無し、スローモーション:無し、鳩:無し)。

全体的に大根役者しか出ていないが、ソフト版の日本語吹き替えキャストは大塚明夫・大塚芳忠のW大塚をはじめとして青野武、有本欽隆と異様に豪華なので、もし鑑賞される際は吹き替え版を強くオススメする。
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