爆裂BOX

ホテルゾンビの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ホテルゾンビ(2004年製作の映画)
3.2
友人の結婚式に向かう途中道に迷った若者6人が田舎町の民宿に泊まるが、シェフが殺され、支配人も心臓発作で急死してしまう。重要参考人として足止めを食らった一行は容疑者の流れ者からホテルにある箱について警告を受けるが仲間の一人が箱を開け・・・というストーリー。
迷い込んだ田舎町の民泊で6人の若者達に恐怖が襲い掛かるスプラッターホラーコメディ。「エイリアン・ライジング」のマシュー・ルートワイラー監督です。「「ショーン・オブ・ザ・デッド」へのアメリカからの回答」を謳っていますが、目指している方向性は全然違います。どっちかというと「ブレインデッド」かな。
ジャケからはコメディ色強そうな印象を受けますがそんなにコメディ要素は強くないです。ギャグもスベッててあまり笑えません。浮気をバラされる所とスリラーのパクリダンスの所は笑えましたが。ストーリーの合間合間でカントリーバンドがストーリー進行を歌って説明しますが、進むにつれてウザくなってきました。
登場するのもゾンビではなく箱に封印されていた霊魂に憑依されて狂った人間です。作中でもゾンビじゃないと言ってます。頭を吹き飛ばすか切断しなければ倒せない所はゾンビっぽいですが。
この箱の由来なども語られますが、すげーコトリバコっぽいなぁと思いました。似たような話は向こうにもあるんでしょうかね?
前半はダラダラしてますが、後半の狂人集団との戦闘シーンはお手製の武器を使ったり、血糊も多めで楽しめました。ゴア描写はお手製の鉄パイプ銃(「フィースト3」にも出てたヤツ)で頭吹き飛ばしたり、首チョンパや投げたシンバルが頭に刺さったり、頭部に穴が開いてその穴から向こうの景色が見える「地獄の謝肉祭」ショットがあったり、デービットのシーンは結構良かったですね。最後の辺りももっとチェーンソーでグログロにすれば良かったのに。前半でも町の人間を殺していくシーンで「バーニング」のオマージュシーンがあったのはニヤリとできました。パーティーが開かれてる納屋が狂人化したジョニーの殴り込みによって阿鼻叫喚の場になる所もまあまあ良かったかな。
田舎町のアホな保安官役で「スパナチュ」の親父や「ウォーキング・デッド」のMr.ニーガンことジェフリー・ディーン・モーガンが出ていたのは良かったです。ちょうど「スパナチュ」の頃だからか今よりも大柄です。結構最後の方まで残ったけどアッサリしてましたね。
チャラいリーダー格でジェレミー・シストが出ていたり、とんでもないバカなデービット役でエリク・パラディーノが出てたり、怪しげな民泊の主人役でデヴィッド・キャラダインが出てたりと割と出演陣は豪華かな。お手製の武器作ったり行動的で最後血塗れタンクトップで頑張るヒロインはデヴィッド・キャラダインの姪なんですね。ベジタリアンで控えめな女の子メロディ役で「ジーパーズ・クリーパーズ」のジーナ・フィリップスも出ています。
資料館のお姉さんはイイキャラしてたのでアッサリ退場して残念・・・と思ってたら後半で再登場したのは良かったですね。
エンドロールでストーリー全部説明してるので時間がない人はそこだけ見ればイイかもしれません(笑)「続編できるかも」って言ってましたが出来ないだろうな(笑)
ジャケのフロントマン(出ません)や「ショーン・オブ・ザ・デッド」の文字につられて鑑賞したらガッカリするでしょうが、B級ホラーとしては血糊も多くていいんじゃないでしょうか。