Inagaquilala

囚われの女のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

囚われの女(1968年製作の映画)
3.5
「恐怖の報酬」「情婦マノン」「悪魔のような女」などを監督し、「フランスのヒッチコック」とも言われたアンリ=ジョルジュ・クルーゾーの遺作。冒頭からアートしており(実際、現代アートの展覧会のシーンがある)、なかなか凝りに凝った映像が展開される。簡単に言えば、ふたりの男の間で揺れ動く女性の物語だが、人間の深淵をものぞかせる官能的な描写もあり、同じく遺作であるスタンリー・キューブリックの「アイズ ワイド シャット」も思わせる(「囚われの女」のほうが30年も前だが)。最後に登場する悪夢のシーンは、当時の60年代末のサイケデリックな時代の空気を反映しており懐かしい。この作品を遺作で残したアンリ=ジョルジュ・クルーゾーに拍手したい。
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