いき

囚われの女のいきのネタバレレビュー・内容・結末

囚われの女(1968年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


最高。これは最高。

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー作品、初鑑賞。遺作ですね。なるほど、ヌーヴェルバーグの生みの親とも称される人物。


ラスト10分の映像表現ももちろん良かったけど、そこに至るまでの出来事もちゃんと面白かった。

思うに。登場人物に関してざっくりと。

ジルベールは平凡。今ある状況が壊れることなどないと、安心しきっていた。何も2人の心の機微をわかっていない。平凡なのは良いことで、多分いい人だと思った。
あのラストを見るに、あの後もジョゼに付き添い続けると思う。可哀想ないい人。鈍感ゆえに強い。


ジョゼは身勝手。スタンの本当の深い所を見ようとせず、ただ一方的な感情の押し付け。ジルベールにもスタンにも全て理解してもらえると勘違いしている。思い上がりが激しい。
見ていて徐々に嫌悪感が。最後は自業自得と思ってしまった。勝手にしてくれ…


スタンは人間不信。自分も他人も信じられないから、契約という形で他者との繋がりを得る。冷静に、確実に欲しいものを手に入れようとする。かっこいい。反面、自分の中の弱い部分は絶対見せられないでいるから、ずいぶん脆い。
ジョゼを信じようとかなり歩み寄っている場面、別人のようでハラハラした。結果、なるようになってしまったけど。あれで良かったと思う。
最初から最後までいちばん好きなキャラクターだった。見た目ちょっとウィショさんみある俳優さんだし…よかった。


無邪気な海辺のシーン。地味に怖かった。たくさんの縄や錆びた鎖がそこかしこにあるのは船着場だから当たり前なんだけど、2人の関係性を思い出すとかなり不気味だった。落ち着いて見てられない。


うーん…全部通して最高に好みの映画でした。このモヤモヤがいい。


追記。
スタン役のローラン・テルジェフが好き!Blu-ray買いました〜🥰
いき

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