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もののけ姫のぉゅのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
3.9
2021年 鑑賞 21-240-10
金ロー にて
「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」等の宮崎駿監督・脚本の、構想に16年・制作に3年をかけた長編アニメーション作品。興行収入193億円を記録し、当時「E.T.」が保持していた日本の歴代興行収入記録を塗り替えた作品(2001年には「千と千尋の神隠し」、2020年には「鬼滅の刃 無限列車編」に更新されている)。

室町時代の頃の日本。東と北の間にあると言われるエミシの村に住む少年アシタカ(声: 松田洋治さん)は、村を襲ったタタリ神と呼ばれる化け物を退治した際に、右腕に死の呪いを受けてしまう。その正体は、何者かに鉄のつぶてを撃ち込まれ、人への憎しみからタタリ神と化した巨大なイノシシの神・ナゴの守だった。アシタカは呪いのため村を追われ、呪いを絶つためにもイノシシが来た西の地へと旅立つ。旅の道中、乱妨取りに奔る地侍との戦いや、謎の男ジコ坊(声: 小林薫さん)との出会いを経て、アシタカはジコ坊から聞いた神が住むという深い森がある地に向かう。アシタカは山奥で倒れていた男達を助け、彼らの村へ連れて帰る。その村はタタラ場と呼ばれる、鉄を作る村であるという。そこを治めているエボシ(声: 田中裕子さん)は、石火矢と呼ばれる火砲を村人に作らせ、山に住むもののけや、村の鉄を狙う地侍たちから村を守っていた。アシタカが助けた男達ももののけに襲われたもので、呪いを与えたイノシシの神に鉄のつぶてを撃ち込んだのもエボシだという。彼等は鉄を作るために自然を破壊している自覚はあったが、シシ神に力を賜り大きな力を得た動物・もののけ達を快く思っていなかった。アシタカは、これ以上憎しみに身を委ねるな、とエボシに忠告するが、村人達にとってのエボシは、生きる希望を与えてくれる女性でもあった。そのエボシの命を、「もののけ姫」が狙いにくる。その正体は山犬に育てられた人間の娘のサン(声: 石田ゆり子さん)だった...

あれだけジブリ作品を観ておきながら... 歴史的作品は初鑑賞となるんです... 実は私の天邪鬼期を作った作品の1作で... 日本の歴代興行収入記録を更新したこともあり、周りのみんなの「良かった」だのなんやのの声で、天邪鬼へとなった私だった... まあやっかみや嫉妬をこじらせたんですね... 今では、その頃からの自分には後悔と怒りで溢れていますね!これで、過去の天邪鬼からは脱却できそう。金ロー様、ありがとうございます!

脱線しましたが、ここからは作品のお話を...
素晴らし過ぎる背景や景色。細か過ぎるところまで、手が届くようなイラストは、宮崎駿氏始め、スタジオジブリの皆様の本気度が十二分に伝わってくる(今までの長編アニメーション作品の倍以上の14万枚以上もの作画枚数が使用された。宮崎氏は「ジブリを使いつぶす」ほどの覚悟で桁外れの労力と物量を本作に投入したという)。

こだま。かわいい!というか、愛くるしい!「カラカラ」と、顔を回したり、アシタカの真似をしたり、アシタカの道案内をしたり。もしかしたら、クロスケやススワタリの先祖?まあ違っても妄想補完になるのだが...

“いい村は女が元気だと聞いています”
タタラ場は男子禁制か?と思う女性の数。サンにしろ、エボシにしろ、モロの君(声: 美輪明宏さん)にしろ、アシタカの村のカヤ(声: 石田ゆり子さん/2役)ら娘たち、占いおばばのヒイ様(声:森光子さん)、牛飼いの甲六(声:西村まさ彦さん)の妻トキ(声:島本須美さん)、タタラ場の女性陣... らと女性が印象的なが、宮崎駿監督作品らしい。と、いうことは男性のキャラが鍵 or ヴィラン?
タタラ場での大勢での食事シーンも印象的!

“曇りなき眼で見定める”
ハンセン病... 勉強不足だ... 小泉総理時代の裁判でのニュース以上を知らない... 軽く勉強してみたが、アシタカのように接すれるか不安。身近にいたことがない故、どうすればいいものか?... 宮崎駿監督なりのメッセージが込められていることも知った。

“生きろ そなたは美しい”
シシ神様は麒麟か?あの足元の美しさは、そう思わざるを得ない。もちろんあの口移しのサンも美しい。

“黙れっ! 小僧!”
犬神を救うシーン、ヤックルと犬神の会話のシーンは胸熱!乙事主(声: 森繁久彌さん)の生き様とサンの乙事主への語りがけからの、●●●●へになるシーンの圧倒的な画力!アシタカがサンを救い出すシーンも染みる。水中へと沈んでいくシーンも。しかし、エボシ(石火矢)がシシ神様を狙い...

“私は人間だ だが...”
堕ちていくこだまたち。モロは首だけで●●●に罰を。人間を救うアシタカに反発するサンだったが... シシ神様はディダラボッチへとなり...

アシタカの言った「共に生きる」と言うのが重要になるのでは?自然(森)と開拓(タタラ場)、人間と動物... 鎮まった●●●●●ッ●は、また1から始めからやり直せ。生きて、よりよく共存出来る道を作れ!と言っているのではないかな。
中には、自然原理を表しているという意見を聞いたこともあるが、私の鑑賞後感想は、サンも、山犬も、アシタカも、ヤックルも、エボシらタタラ場の人たちも、ジコ坊らも生きているんだから... 次世代にバトンが渡され、また1から、より良い共存の道を構築せよ!と、言っているように思えた。

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