初めて映画館で観たジブリ作品がこれでした。なのでどうしても思い入れは他より強めです。
しかし宮崎作品マラソンで鑑賞してみると、無邪気な豚の次の並びが本作って結構な衝撃ですね…。
冒頭から凶々しくハードな描写が続き、考証を相当重ねた日本を舞台にした事で「ナウシカ」以来のメッセージ性はより迫るものとなり、やがて突きつけられる、歴代作品の中でも屈指の高スペック主人公を以てしても、どうにもならない衝突、うねり…。
そしてこの重苦しい物語を織り成すアニメーションとしての美しさ・クオリティは、やはり格別。「滅ぼされる神聖さ」の宿った森も、作り手の昂りがありありと感じ取れる「弓、剣の立ち回り」「火薬の炸裂」「暴れる巨大な動物」といったアクションも、アニメ映画史における一つの到達点を思わせます。
大人になってほんの少しだけ突っ込んだ見方をするようになってからは、「あまつさえ病気まで治してもらえた」ラストに『う〜ん…』と首を捻るようになったり、或いはもっと子供じみたものでいえば『乙事主が大暴れする様子、ワンカットくらい観たかったよぉ〜…』なんて文句も、あるにはあるのですが…
やっぱり思い入れ補正どうしても強いので、「ジブリで一番好きなのは？」と聞かれたら、自分は「ラピュタ」と本作で『う゛〜〜〜ん…』と、楽しく悩むところです…。
