こつぶライダー

もののけ姫のこつぶライダーのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.5
言わずと知れたジブリの名作。
数多くある宮崎駿監督の作品の中でも、かなり評価が高く、出逢う人からはこれこそが最高傑作だと聞く。
興行収入こそ『千と千尋の神隠し』に及ばないものの、そこはきっと大人向けだからではないか。

実は私も初見ではあまり響かなかった。
それもそのはず、当時私は7歳。
アニメーションこそ楽しめても、中身に関しては理解が乏しかった。

そう、これは大人になればわかる傑作なのである。
ある程度の読解力と感性が必要。

さらに何度も観ることで新たな発見ができるスルメ要素もある作品であるのが魅力のひとつ。
特に、説明されていないキャラクターの背景を推測するのも楽しい。
ああでもない、こうでもないと談義できる楽しみ方ができる。
キャラクターの持つ魅力という意味でも、宮崎監督の優秀さが光る。

内容について。
かなりナウシカと被る要素がある。
人間と自然の調和というテーマに関して、宮崎監督の放つ強い意思が感じ取れる。ナウシカでは、とにかく主人公の自然を守るパワーみたいなものがあったのに対して、今作ではアシタカとサンという2人の主人公がそれぞれの想いが重なっていくラブストーリーもあり、自分たちの実生活にも重なる部分が多い。
一線を引くのは時代背景と舞台か。
限りなく昔の日本に近づけた設定から、どこか私たちのDNAに投げかけるものもあるのか。

私見としては、いくら科学が進もうと、自然と生き物とが共生することは避けられない永遠のテーマだと思う。後世に遺すべき作品として、邦画ナンバーワンだと思う。
こつぶライダー

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