犬好き男子の映画レビュー

もののけ姫の犬好き男子の映画レビューのネタバレレビュー・内容・結末

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

◆キャラクターの魅力
・アシタカ
 純粋に、生きとし生けるものを愛し、真っ直ぐ生きる少年の姿は観ている私の心を動かしました。その場その場で、自分の信念に従い、生き物を助け、人を助け、約束を守ろうとする。タタラ場の人たちも、モロの一族も、アシタカのことを敵が味方かもわからないように思う状況もありつつ、彼の心とその表れである行動を見ているため、彼の敵になりきれない場面が多々あったと思います。

・エボシ 
 残忍さ、執念を持ち合わせていますが、タタラ場の人からは愛されており、人情味のある人なのだということを節々から感じました。最後も腕を失いながらも、良い村を作ろうと希望をもち、みんなとやり直そうという形で終えられていたのは、観ている人にとっても気持ちの良いものでした。

◆映像美
 最初のシーンから自然がとても綺麗です。絵画作品をいくつも観ているような造形美でした。緑と青も、それぞれ色々な描き分けがされていて、自然の豊かな表情を感じられました。
吉田博さんの絵の優しい版画的な雰囲気にも感じ取れました。

◆生きる希望
 生きろ。その言葉のキャッチフレーズが的を射てる映画と思いました。皆、登場しているものが、辛いことや大変なことがあっても生きようとしていること、生きて何か希望を見出すこと、そして共に生きていくことを心の底で感じているように観ていました。
言葉には言い表しきれぬ、生きることを肯定を宮崎駿監督は描こうとしたのかと感じました。