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もののけ姫のよのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
3.7
金ローを一緒に観ていた母が呟いた。
「宮崎駿ってずっと同じこと言ってるよね」
本人が一番そう思っていることだろう。同じことを何度も言わせるなと。

彼の映画がどれだけ売れ、どれだけ評価されても、彼の言いたいことは伝わらない。
近代科学を崇拝せず、自然との関わりを見つめ直してほしいと何度訴えても、環境問題は一向に改善する兆しが見えない。人々が真面目に向き合っているのか疑わしい。
『風の谷のナウシカ』以来、あるいはもっと前の『未来少年コナン』以来、くりかえしくりかえし身を削って呼びかけているにもかかわらず、だ。

彼は読解力のない鑑賞者に痺れを切らして本作を作ったのではないか。その直接的で説諭的な表現がエンタメ性を削いでしまうのは織り込み済みで。

かく言う私も、環境問題に真剣に取り組んだことはない。宮崎駿は好きなのだが、向こうにしてみればファン失格ということになるかもしれない。
よ