たけちゃん

もののけ姫のたけちゃんのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
5.0
ただ待つか、自ら赴くかは決められる!


宮崎駿 原作・脚本・監督 1997年製作
音楽:久石譲、主題歌:米良美一
声優:松田洋治、石田ゆり子、田中裕子


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、7月31日は「こだまの日」

"こだま"と言えば、「もののけ姫」に出てくる木霊を思い出しますよね~。
でも、「こだまの日」のこだまは、どうやら違うようです……( ¯−¯ )フッ


1956年、旧国鉄の在来線特急「こだま」号が、当時、世界最高速の163キロを達成したことに由来する日だそうです。これは知らなかった……
だって、"こだま"って言ったら、もう、僕らは新幹線しか知らないもんね。特急時代があったんだぁ。
調べてみると、これにより、東京-大阪間が6時間50分で到達でき、「ビジネス特急」と呼ぼれたそうです。そう、日帰りが出来るので、ビジネスに使えるということですね。
でも、片道6時間50分は疲れるなぁ。
僕は片道3時間半の映画遠征での日帰りもしんどいからね。まぁ、JR使えば、片道2時間は切るけど、駅に行くまでのアクセスも考えると、やっぱり3時間は必要。頑張って、映画2本観たら帰らないと行けないからね~。ほんと、しんどい(||´Д`)o


ってことで、"こだま"は列車かぁ……。
いや、関係ない!
こだまと言ったら、誰がなんと言っても"木霊"だ。
よし、「もののけ姫」をレビューしよう!






ってことで、映画です。……ゴウイン
「一生に一度は、映画館でジブリを」
素晴らしい企画。
今回、僕は「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」「もののけ姫」の3本を観ましたよ。しかも、この「もののけ姫」は2回も観た!だって、あまりにも素晴らしくて、一度じゃもったいなかったの( ˘ ˘ )ウンウン

でも、実は、「もののけ姫」は公開時にも劇場で観ています。もちろん「千と千尋の神隠し」もね。ところが、当時は今ひとつ響かなくて、そんなに残らなかったの……。それは多分、僕の映画に向かう姿勢のせい( ˘ ˘ )ウンウン
勝手に"ラピュタ"や"カリ城"のような冒険活劇を期待していたからね。今作って、大ヒットしたけれど、そんなに分かりやすい映画ではないでしょ?
みなさん、凄いですよね。
僕はそれが読み取れなかったからなぁ……(´・ω・`) ショボーン

フィルマを始めて、こうしてレビューを書くようになり、少し映画に向かう姿勢も変わったから、今回は以前とは違う感想が持てました( ˘ ˘ )ウンウン
そのあたりを書いていこうと思います(^-^)

そうは言ってもジブリ映画なので、本当にたくさんの人がレビューしていますから、ある意味、解説などは書き尽くされてます。なので、まぁ、自分の備忘録レビューってことで、感じたことを書きますわ( ¯−¯ )フッ



オープニングのドーンドーンという音が、まるでゴジラ映画が始まるのか?と思いました( ¯−¯ )フッ
重苦しい始まりですよね~( ˘ ˘ )ウンウン

単純に映画の感想を言うと、劇場の絵の迫力に気圧され、呆然とするほどに良かったということね。
ナウシカも良かったし、千と千尋も楽しかったんだけど、今回、圧倒されたのは「もののけ姫」!
例えば、アシタカがタタリ神を鎮めんとする場面での絵のスピード感。すごいよね!
あと、ヤックルに乗って疾走する場面とかの勢いが、まじ凄まじかったね。
なぜ、昔観た時にそれを感じ取れなかったのか?
ほんと、自分に呆れました(||´Д`)o


そして、一番感じたのは、今作は宮崎駿監督が「ナウシカ」で描いてきたテーマを、より推し進めた作品だったということですよね。
そんなの知ってた?ゴメンなさい(笑)
昔は大好きなナウシカとは、全然重ならなくて、なんか楽しくないなぁ…とか思っちゃってた。

でも、今作、ものすご~くナウシカ的だった。
単純には言えないけどね。
似ているところを書き出せば、多数あるのよ。


映画全体では、自然対人間の対立の構図が強いでしょ?
ナウシカも一見、人間同士の対立が描かれているように見えて、実は腐海・昆虫対人間の図式の中で、人の愚かさが明確になる作品よね。お釈迦様の手のひらで飛ぶ孫悟空のような。

"腐海"はみんなを守っているというナウシカの叫び。
まさにガイア理論での地球の姿そのもの。
腐海こそが、そして、王蟲や蟲たちが今作での"もののけ"だし、神々であり、ディダラボッチであるわけですよね。


腐海を焼き払おうとするクシャナの姿が、そのまま今作のエボシの姿に重なるし、タタラ場を手に入れんとする侍の姿などは巨神兵を求めるトルメキアそのものだしね。

また、ナウシカの持つ愛情と怒りが、今作ではアシタカとサンに役割分けされて描かれている。
ナウシカの中には、人としてのアシタカ的な正義感がある一方で、サンの持つケモノと通じる心をも持ち合わせているよね。ナウシカが持つ母性と父性という曖昧な部分が、アシタカとサンにより、より明確にされているわけ。

乙事主様が猪を率いて戦いに臨む姿は王蟲の暴走に重なるし、人が火薬を用いてそれらを吹き飛ばす姿は、まさに、巨神兵による攻撃のよう。

王蟲の暴走を止めようと子供の王蟲と共に群れに降りるナウシカの姿は、シシ神の頭を持ってディダラボッチに返そうとするアシタカとサンそのものだし。


人か自然か?
神か人か?
そうした対立の構図ではなく、"共に生きる"というアシタカの訴えこそがナウシカの唱えたものであったわけで、ここにこそ宮崎駿監督の一番訴えたかったものもあると思うんですよね。
ナウシカでは、ラストの奇跡によるハッピーエンドで曖昧にされた部分が、もののけ姫では明快に語られてます。サンが語る「アシタカは好きだが、人間は嫌いだ」という言葉による人間中心主義の否定。
そこが今回は響いたなぁ( ˘ ˘ )ウンウン
それが分かっただけでも、今回、見直して良かった。



と言いながら、僕の屁理屈以上に、映画が楽しかったよね(ˆωˆ )フフフ…
美しい映像に重ねて流れる久石譲さんの音楽の素晴らしさ。アシタカの旅立ちの場面とか、本当に雄大で、荘厳で。
また、有名な米良さんのカウンターテナーによる主題歌の人間離れした美しさ。惚れ惚れしました。


改めて「一生に一度は、映画館でジブリを」企画
ありがとうございます😊😊😊
ぜひ、次回企画は「ラピュタ」や「紅の豚」をお願いします( •̀ω•́ )و✧