こぅ

愛に関する短いフィルムのこぅのレビュー・感想・評価

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)
4.5
個人的にポーランド発と言ったらクシシュトフ・キェシロフ
スキ監督作品久々の鑑賞。

本作は、伝説の全10話から成る【デカローグ】から第6話目
の劇場用ロング版。


窓から昼夜憧れの歳上女性、マグダを盗んだ望遠鏡で【覗き見】
する19歳少年、トメクの望みとは⁈


本作は、凡百な低俗(変態)作品とは一線を画
す。

大胆で繊細な 純愛 と言うより少年の【純な愛】を描いて
いる。

トメク少年が望遠鏡を除く暗い部屋の目にかかるライティング
が絶妙。映像美。

「一体、何が望みなの?」
「わからない」
「何が欲しいの?」
「何も」

「愛してる」

トメクは、真っ直ぐ純心で不器用な少年。
マグダは、器用でも孤独な女。

全ては貴女の為、、病名は、、恋の病。

終盤の単なる思春期モノに留まらない【名編に昇華】する
展開は、観る者も疑似体験(感情移入)必至。

それは、クシシュトフ監督が上辺だけじゃない 愛の本質 を
見抜いているからに違いない‼︎

大人には、純心、純粋、繊細は汲み取りにくい、、
そんなマグダは、◯◯いに気付く、、


一巡と帰結、恋愛は平等(対等)、陰鬱で、鮮やかな芸術で、
息を呑む素晴らしいラストショットは、マグダ役、グラジナ
のアイデア。

本作には、純心、純真無垢こそ最強の愛、正義だ‼︎と言わ
しめる チカラ がある。

そこに 肉体関係 が全く無くともだ‼︎

安っぽくないズシン‼︎とくる 崇高 なラブストーリー。

愛の形を具現化(伝達)する為の映画という1つの手法、
ツール。

パトリスの【仕立て屋の恋】を想起するが、基本プロット一緒
でも純の度の次元が違う。


*グラジナ・シャポロフスカは、キルスティン・ダンスト似⁈
こぅ

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