がちゃん

ウディ・アレンのバナナのがちゃんのレビュー・感想・評価

ウディ・アレンのバナナ(1971年製作の映画)
3.5
劇場未公開作。
商品の耐久性を調べる被験者という怪しげな職業のウディ。
ある日、ウーマン・リブ活動をしている女性と知り合い、
付き合うことになるが、知性がない事を理由に振られ、傷心の彼は南米のある国(架空)にとび、革命騒ぎに巻き込まれ、インテリであるということで、その国の独裁者暗殺の後、大統領に祭り上げられ、米国に戻ると、国家反逆罪ということで、裁判にかけられる・・・

と、ここまであらすじを書いても大丈夫だと思います。
ウディのドタバタが見もののコメディだからです。

もちろん、ウディらしさも随所で見られ、たとえば冒頭の大統領暗殺シーンのスポーツ実況のような生中継や、チラリみえる、転がり落ちる乳母車で「戦艦ポチョムキン」にオマージュをささげたりするシーンがそう。

面白いことは面白いし、時代を切り取っている部分もあって興味深いが、
かなり泥臭いコメディです。

地下鉄で乗客に嫌がらせをするチンピラの役で、シルベスター・スタローンがちょっとだけ出てます。

新婚初夜の様子を、ボクシング中継風に実況したりするシーンなども、
ウディらしい。

それから、マービン・ハムリッシュの音楽が、軽快で楽しい。

ウディ作品の中では、一番スケールが大きい作品だと思われますが、
どちらかというと、前作「泥棒野郎 」のほうが好きかな。

でも、後年のウディを語るうえで、観ていて損はないかもしれません。
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