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よみがえるブルース/トゥー・レイト・ブルースのmrhsのレビュー・感想・評価

4.5
まだあと2回、今日と明日(水曜日と木曜日)Strangerで19時45分から上映があるので興味のある人はぜひ。

ジョン・カサヴェテスの映画は好みの問題で言えば正直苦手なのだが、好き嫌いを超えて凄いことをやっているのは事実だと思う。

まだギリギリで機能していたスタジオシステムの中でもやはりカサヴェテスはどこまでもカサヴェテスだ。突拍子のない諍い、和解、再会、宙吊りが繰り返される。スタジオシステムが機能していなければあり得ないようなカメラワークもある(ダンスしている2人を捉えたカメラが縦に移動し、アイルランド人のクローズアップへ移行するカットなど)。野球の場面もケンカの場面も面白い。

ヒロインの流した涙の跡にマスカラがハッキリと見える(何度も映し出されるので明らかに意図的なものだろう)のだが、こういう極端なリアリズム(?)もカサヴェテスならではだと思う(実は自信がない。この時代のアメリカ映画だと珍しくないのだろうか?当方の乏しい鑑賞体験ではちょっと他に思い浮かばなかった)。

やや図式的とは言え、音楽業界の内幕ものとしてもなかなか興味深い作品であることも言い添えておきたい。
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