ちろる

クレイジー・イン・アラバマのちろるのレビュー・感想・評価

4.2
すっごい好きなタイプの作品。
暴君な夫に耐えきれずに首を切断してその生首と共に旅をする事にした叔母さんの姿とそれをアラバマで見守る甥っ子の姿を描いたお話というと、あらすじだけ聞けばとんでもないクレイジーなお話なのだけど、まさかの他では絶対ないロードムービーで、こんなに清々しい涙が出るとは・・・
アントニオ・バンデラスってカッコいいおじさんな上にこんな作品監督する才能まであるのですね❤︎
メラニー・グリフィスって大造りの顔立ちでセクシーすぎるので個人的には好きなお顔ではないのですが、映画作品の中に一度置かれればその魅力にとろけて大好きになってしまう不思議な女優さん。
セクシーなだけではなくて女性が持つ可憐さ自由奔放さがあるから見ていて気持ちいい。
そんな、指名手配されながらも、女優になる夢を諦めきれずハリウッドを目指すルシールの姿をユニークに描きながらも並行して見せるのは彼女の甥っ子ピージョーの直面する黒人差別問題について。
保守的な南部の田舎町で、少年のピージョーには到底理解できないほどの排他的な社会で直面する内容はなかなか壮絶な内容だった。

そんなルシールの女性の解放を目指した旅と、ピージョー少年の黒人差別への対峙の姿が呼応するかのように2人はそれぞれの結末を迎える。
ピージョーが少しクレイジーな叔母さんルシールを大好きな理由が美しさだけでは無かったことを実感する。
ラストの法廷シーン、ファンタジーなのかもしれないけど感動しました😢
脚本がめちゃくちゃいい良作。
一つの作品ながらもいろんな味わいを噛み締める事のできる本作、いつまでも忘れられない青春映画として私のお気に入りに仲間入りしました。
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