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マザーズデイのmimagordonのレビュー・感想・評価

マザーズデイ(2010年製作の映画)
4.2
気の早いハッピー・マザーズデー!!
...とはならず

相変わらずダーレン・リン・バウズマン、めちゃくちゃサディスティック。不条理な状況下で精神的にも肉体的にも追い詰められていく主人公夫婦とその友人たち。レベッカ・デモーネイ演じる悪役兄妹の母の狂気と歪んだ愛情が一線も二線も越えている。彼女の演技があったからこそ悪役一家のイカれっぷりに説得力が出るし、デモーネイ演じる支配的な母が時折垣間見せる繊細さに危うく共感しそうになる。そう、「しそうになる」ギリギリのところ、流石名優の技。

けっこうプロットが練られていて、誰もが何かしら周りに見せてないものを抱えており、追い込まれる方も追い込む方も本性が剥き出しになっていく様が生々しい。残酷描写もとにかく執拗でエグい。シチュエーションものながらテンポよく進むのは「ソウ」仕込みのバウズマン監督の腕の見せ所。でも後味の悪さとストーリーの胸くそ度合いはオリジナル作品での方が光る。観る者を徹底的に不快にさせるサイコスリラーの良作。



P.S.
ちょこちょこ『レザボア・ドッグス』オマージュ入れてくるのはやめてくれ。そこだけ気が抜けちゃうよ...。
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