ベビーパウダー山崎

第一の大罪のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

第一の大罪(1980年製作の映画)
3.5
ニューヨークの夜の街、引退間近の老刑事がピッケルで通行人の頭を突き刺す連続殺人犯を追い詰める。フランク・シナトラ最後の主役映画、妻のフェイ・ダナウェイは医療ミスで寝たきり、生死の分かれ目。銃撃戦も逃走も拷問も描かれない、ただひたすら地味に犯人の足取りを追う。シナトラに協力する人物もみな年寄り、警察も同僚もだれも老い先短いシナトラの動向を気にしてはいない。殺し続けるキチガイはキチガイらしく、金持ちの恵まれた人脈を利用する電波系の厄介なキチガイ。孤高のシナトラが遂にキチガイと対峙してどのような決断を下すのか。シナトラの唯一の希望、妻のダナウェイは。ただ呆然とするしかない、えらく寂しい気持ちになるラスト。なんとなくモーガン・フリーマンしかいない世界の『セブン』の匂いも。まだまだ面白い刑事映画(キチガイ犯人映画)は眠っている。