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第一の大罪のAONIのレビュー・感想・評価

第一の大罪(1980年製作の映画)
2.0
殺人犯の狂気が醸成される過程を丹念に描いた見応えある原作を、殺人鬼からの視点をほとんど省き、その犯人を追う老刑事シナトラのワンマンドラマに改悪してしまった。フェイ・ダナウェイの使い方にも不満。

ローレンス・サンダースの原作は、ミステリアスな(てか、イッちゃってる)女と出会って、自己の“内なる殺人鬼”の存在に気付いた男が、次々と人殺しに手を染めてゆくサイコサスペンスの秀作。その殺人鬼からの視点のドラマを、ほとんど省いてしまったシナリオが最悪。小説では中心人物の一人であった、犯人の男を殺人鬼へと誘導していく恋人も出てこない。

フェイ・ダナウェイは、大病で寝たきりのシナトラの奥さん役。てんで見せ場なし。普通、フェイ・ダナウェイをキャスティングしたなら、犯人の恋人役の方をやらせるだろ!!!
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