半兵衛

首だけ女の恐怖の半兵衛のレビュー・感想・評価

首だけ女の恐怖(1981年製作の映画)
3.1
特撮がチープだったり画像はニュープリントかと錯覚するくらい綺麗だったのに合成を使いだすとビデオ画質レベルまで荒くなったりと突っ込みどころは色々あるけれど、インドネシアに伝わるランダとバロンの伝説を現代風に映像化するというハリウッドの文法とは違うホラースタイルが全編に渡って楽しめてこういう民話みたいな映画もたまにはいいなという気分に。

黒魔術の研究を調査するため現地に訪れた女子大生のキャシーは弟子入りした魔術師に騙されて身体を利用されたり意識を支配されたりと散々な目に遭う、終いには主人公の立場から追放されて首と内臓が自分の意思とは関係なく飛び出して彷徨うモンスターと化してしまう。そんなキャシーと肉体関係を持ち現地彼氏の立場となったマヘントラは彼女を見捨てず最後まで元に戻そうと努力していたのは偉いかも(特に何も出来なかったけど)。

凶悪な魔術師(悪魔)とマヘントラの親戚の祈祷師が繰り広げる壮絶なのにゆるゆるな戦闘は失笑ものだけれど、終盤10分における伏線もない唐突などんでん返しの数々に「そんなのありかよ」とハリウッドの緻密な作風に慣れた私たちは衝撃を受けるはず。そして放りっぱなしを体現するラストに驚愕。

金髪で結構美人なキャシーは劇中それなりに露出のある衣装で登場することが多いが、やはり男性客へのアピールだったのだろうか。
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