爆裂BOX

ホスピタルの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ホスピタル(2005年製作の映画)
3.1
30年前の火災が原因で廃墟となった病院へ肝試しに来たジェシー達5人の若者。病院に閉じ込められた彼女たちは出口を求めてエレベーターに乗り込むが…というストーリー。
「シャークネード」シリーズを手掛けたアンソニー・C・フェランテ監督の長編デビュー作であるオカルトホラーです。「人間解体」の惹句が躍るジャケは「ホステル」みたいな拷問ホラー彷彿させますが、実際は憑依系オカルトホラーです。
ジェシー達は、数日前にこの廃墟に行くと言い残して失踪した妹メグを探すアランと合流して、出口を探して病院内を彷徨うも、そこに巣食う悪霊に次々と殺されていくという内容です。
基本的にはオバケ屋敷に閉じ込められた若者達が悪霊に憑依されて次々死んでいくというベタなストーリーですが、主人公ジェシーが病院内で霊の姿を見たり、謎の幻覚を見たりして、更にそれが過去に起きた火事と死んだジェシーの母と絡んでいくという、一応、ストーリーもあります。まあ、でも結局登場人物が病院内をギャーギャー逃げ回りながら襲われていくという話なんですが(笑)
暗闇や階段に佇む少女の霊や、背後から忍び寄る男の霊などの描写は不気味ですが、アメリカ映画だけあって結構アグレッシブに襲ってくるので、怖さはそんなにないですね。ホラー初心者の人でも大丈夫じゃないかな。
霊に憑依されたり、憑依された人間の血を浴びると(?)身体がドロドロと溶けだしていきます。「人間解体」じゃなくて「人間溶解」ですね。特殊メイク用いて表現されていますが、そこまで派手な溶けっぷりではないですね。二人目からは髪や手がネバネバするくらいの表現だったし。ただ、溶けだしてる人間や、悪霊が憑依して動き出した死体を銃で撃つと景気よく爆発四散して血や肉片が飛び散る所は良かったですね。最初の方で溶けた犬が動き出す所も気色悪くて良かった。
主人公のkれ氏は初登場時からDQN臭い感じでしたが、案の定ビッチな女友達と浮気してるし、その女友達が全身に血を浴びた時は「お前も死人だろ!」といきなり射殺したりとかなりのクソ野郎ぶりを披露してくれましたな。でも意外と最後の方まで残ったな。アランの友人の元B級ホラー映画スターの黒人刑事はその美味しい設定もっと活かすかと思ったらそうでもなかったな。映画で使ってた必殺技披露するけど全然上手くいかない所はちょっと笑ったけど(笑)
終盤でジェシーがエレベーターの中で悪霊に罵声攻撃する所はちょっと「ヘルハウス」彷彿しました。生前に病院から出ようと火事を起こし、死んだ後も憑依して病院から出ようとするジェイコブに、生身の身体を得た時に味わう苦痛を疑似体験させる所も新鮮に感じました。でもどうやってあんな事できたんだろう?
ラストの戦いはちょっとグダグダに感じたけど、看護師をしていて火災が起きた時にジェイコブの脱走阻止し、今も霊体となって脱走を阻止しようとする主人公の母親はカッコよかった。母親役は「E.T.]や「ハウリング」のディー・ウォーレスが演じてます。
B級ホラーとしては上出来ではないでしょうか。暇潰しには充分なると思います。