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日本の悲劇の一のレビュー・感想・評価

日本の悲劇(1953年製作の映画)
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『惜春鳥』でも印象的だったフラッシュバックの手法が全編に冴えている。それは『惜春鳥』ではある種美化された少年時代の表出だったが、本作においては終戦直後の苦々しい記憶であり、親子のどうにもならない亀裂の過程であり、だから今現在はもっと悪いのだ。ラスト、こちらへ接近する列車を捉えながら、それに向かって望月優子がおもむろに走り出すショットやばすぎる。震える。
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